睡眠時無呼吸症候群
大きなイビキ・日中の強い眠気が気になる方は注意
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、大きないびきを特徴とし、
睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう病気です。
主な原因は、舌や軟口蓋などがのどの奥に落ち込み気道を塞いでしまうことにあります。
寝ている間のことなので自分では気づきにくい病気ですが、日中の強い眠気が交通事故や労働災害の原因となるだけでなく、重症化すると脳梗塞や心不全などの循環器疾患、高血圧・糖尿病などの生活習慣病を合併するリスクが高まります。
米国での調査*によると、SAS患者の交通事故発生率は通常の人の約7倍というデータが出ており、またウィスコンシン大学の調査*では、重症SAS患者は通常の人に比べて死亡率は約4倍、脳卒中・心筋梗塞を発症する確率は約5倍にのぼると報告されています。
* Findley LJ, et al.,Am Rev Respir Dis 1988: 138:337-340 / Terry Young et al., Sleep 2008;31(8):1071-1078
主な原因
睡眠中に、空気の通り道である上気道が狭くなり「閉塞」することが原因です。
首まわりの脂肪が多いと上気道は狭くなりやすく、肥満はSASと深く関係しています。
また、扁桃肥大、舌が大きいことや、鼻中隔弯曲症といった鼻の病気も原因となり、あごが後退していたり、あごが小さいことも原因となる場合があります。
こんな症状には要注意
睡眠中に呼吸が止まると呼吸再開のために脳が目覚めます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、この自覚のない目覚めを繰り返すため、十分な睡眠時間をとっても熟睡感が得られず、日中の眠気や倦怠感を引き起こします。
<睡眠時無呼吸症候群の症状>
・大きないびき ・昼間の強い眠気
・朝の頭痛 ・夜トイレに起きる
・のどの渇き ・血圧が高い
・疲れが取れない
呼吸が止まると体の中では血液中の酸素量が不足して、血管、心臓や腎臓に大きな負担がかかります。
また、苦しくて何度も目が覚めてしまい、睡眠不足で昼間眠気に襲われるという症状が現れます。
そのため、以下のような命に関わる病気を合併するリスクが高まります。
・心筋梗塞 ・糖尿病
・動脈硬化 ・脳卒中
・認知症 ・うつ
・ED ・交通事故
睡眠時無呼吸症候群の検査
睡眠計
睡眠の質、長さ、睡眠中の動きなど日常生活の睡眠状況を調べます。
スマートウオッチ
イビキや無呼吸などの自覚症状がある場合に睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いを調べます。
イビキの有無、呼吸状態、血中酸素濃度、睡眠中の体の向きを測定し、分析、CPAPの使用が必要かどうかを診断します。
必要に応じて1泊の精密検査をご案内する場合があります。
CPAP(シーパップ)療法
CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)とは、専用の機械で圧力をかけた空気を鼻から気道に送り、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。
CPAPは、CPAP機器本体と空気を送るチューブ、鼻にあてるマスクからなり、睡眠中はこれを装着します。空気を送ることにより塞がった気道に空気を送り続けてイビキや無呼吸を止める事ができます。
空気を送る圧力の大きさは、常に一定の圧力を保つ場合と、無呼吸の時にあわせて自動的に圧力が増す場合の2パターンがありますが、患者さんの病状に応じて医師の指示により設定されます。
CPAPの使用方法は専門スタッフが丁寧に指導しますので、安心して長期的にお使い頂けます。
CPAP(シーパップ) レンタル費用
CPAPレンタルには継続してご来院が必要になりますが、
当院では治療が安定(CPAP使用状況の安定)していれば、3ヶ月に1度の通院が可能です。
毎月の通院に比べて、時間、費用ともに患者様のご負担が軽減されます。
【保険適用の場合】
[1ヶ月 3割負担]
5,000円 程度
[3カ月 3割負担]
遠隔モニタリング有 11,950円 程度
遠隔モニタリング無 11,050円 程度
【保険適用外の場合】
1カ月 15,000円 程度
※専門検査数値 AHI 20以下の方は保険適用外になります。