新著 最強の昼寝法「スーパーパワーナップ」〜日本人の睡眠処方箋〜
新著 最強の昼寝法「スーパーパワーナップ」〜日本人の睡眠処方箋〜
2024年06月01日
スリープクリニック調布 院長 遠藤拓郎 医師の新刊
「最強の昼寝法「スーパーパワーナップ」〜日本人の睡眠処方箋〜」が発売されました。
本の執筆にあたり、インターネットの弊害を痛感しました。
私たちはインターネットを頻繁に使い、多くの情報を便利に、素早く、簡単に手に入れています。しかし、インターネットの情報をあたかも真実のように思い込むことが増えています。インターネットが普及する前は、自分で参考文献を読み、論文を取り寄せ、そこから必要なデータを取り出し、手計算をして様々な情報の正しさを検証していました。実は、世の中に出回っているインターネット上の情報には、正しいか否かが検証されていないものも多いのです。それを検証する作業は非常に難しく、現在のインターネットユーザーのほとんどは、検証する方法を知らないため、情報を鵜呑みにするしかないのです。
睡眠に関しては、「厚生労働省の国民健康・栄養調査」、「総務省の国勢調査」、「NHKの日本人の生活時間」、「OECDのMultiStudy Time Use」、「American Cancer Society」など、様々な公的機関からビッグデータが公開されています。それらのデータを実際に解析しなければ、睡眠に関するインターネット上の情報の検証はできません。実際にそれらのデータを解析しようとすると、データのフォーマットはバラバラで煩雑なため、簡単にはできません。私は丁寧にデータフォーマットを揃え、検証作業を繰り返しました。それに多くの時間がかかりました。
結果として、認めたくない3つの事実が浮かび上がってきました。それは、「睡眠時間が長いと早く死ぬ」、「働き方改革で退職をすると睡眠薬が増える」、「ゆとり教育で不登校が増える」です。ネット上で話題になっている睡眠に関する情報がいかに的外れであるかが理解できると思います。これは、日々の診察の中で「ゆとり教育が不登校を増やしている」、「早期退職で睡眠薬が増えてしまう」ことを実感していたからです。
今回の執筆にあたり、わかったつもりになるインターネットの危険性を感じつつ、医療現場での実体験の重要さと、客観的で丁寧な判断の大切さを痛感しました。こんな裏話が詰まった本になっています。
皆様、ぜひご一読ください。